SK Telecom(SKT)は、5Gサービスの開始を加速する研究開発の一環として、プレスタンダード5Gリレーリピーターをデモで使用して4Gb/秒のピークダウンロード速度を達成したことを発表した。

韓国ベースの同通信社は、ソウル営業所の5Gトライアルネットワークで、28GHz帯および3.5GHz帯を使用する構内中継リピーターを使用した。同社の声明によると、中継リピーターは、電波の届きにくい領域に無線信号を転送することでシームレスなネットワーク接続を支援するという。

SKTは、光学・無線テクノロジーの専門企業HFRと共同で28GHz帯で動作するリピーターを開発し、通信機器メーカーのSK Telesysと共同で既存インフラストラクチャを使用して3.5GHz帯で無線信号が発信できる構内中継リピーターを開発した。

このトライアルネットワークは2G、3G、およびLTEサービス向けの既存アンテナを使用しており、3.5GHz帯中継リピーターを取り付けるだけで済むため、5Gの屋内ネットワークの構築時間が節約できるそうだ。

また、屋内・屋外設定向けの5G中継機能を開発し、ソウル江南駅近くの5Gトライアルネットワークでリピーターを展開して、人口密集地域における無線サービス提供範囲を拡張するという。

仮想現実通話
また、同社では、Samusungと共同で、ソウル市内の異なる地域にいる発信者を互いに接続すべく、トライアル5Gネットワークを使用してタブレットサイズのデバイスで360度仮想現実ビデオ通話のデモンストレーションを行ったとも話している。これを使用すると、高層ビルに囲まれたエリアを動き回っていてもビデオにアクセスできたとのことである。

SKTおよびその競合関係にあるKTは、一連の5Gトライアルの調査を行っている。また、これらのサービスは2018年2月に行われる平昌オリンピックの際に一部利用可能となると予測される。5Gサービスは、2020年までに韓国全土に展開されることが期待されている。

これら企業の野望にもかかわらず、5Gは、3GPPによって2018年までテクノロジーとして公式に認証されないため、商用利用への開放は2020年まで待たなければならないようだ。