OpenSignalによると、4Gは、世界的に利用可能になっているにもかかわらず、世界で最も発展しているLTE市場の一部においてその速度が頭打ちになり、低下も見られているという。

最新の「State of LTE」(7月から9月末まで77か国でLTEパフォーマンスを測定)によると、同ワイヤレスマッピング企業では、20Mb/秒以上の平均4Gデータ速度を有する「トップパフォーマンス国」の数が、増えるどころか減っていることを発見したという。

OpenSignalは、困難であった50Mb/秒の壁を超えたにもかかわらず、最終報告(6月末までの3か月を対象)後に「40Mb/秒台」に加わった国がないことを加えている。

実際、以前のLTEレポートで、OpenSignalは、平均4Gダウンロード速度が50Mb/秒を超える国が間もなく出現することを見込んで、新たなベンチマークを定義した。最新調査によると、それに最も近い市場は、平均45.6Mb/秒のシンガポールであった。

平均ダウンロード速度30b/秒である国の数は、6月に報告された14か国から13か国に減少した。一方、20Mb/秒以上の速度を維持した国は42か国で、6か月前にこの速度を達成した45か国から減少している。

「1年前、4G速度は世界的に着実に増加しており、50Mb/秒を超える国が現れるのは時間の問題であると思われた。しかし現在では、モバイル速度が停滞しているようだ」と、同社は記述している。

先進市場
ただし、将来に全く希望が持てないわけではない。OpenSignalは、典型的なダウンロードデータレートは過去6か月において16.2Mb/秒から16.6Mb/秒へとやや向上したと述べている。

これは、平均データ速度が発展途上国で上昇していることを示しており、発展市場における低下を相殺している。

OpenSignalでは、LTE速度の全体的な低下は必ずしも悪い知らせではないと言及し、同市場は「テクノロジーの進化が停滞期に入った」と説明した。

「発展国世界における最初の4G推進者によって、LTE-Advancedインフラストラクチャが構築された。現在では、全顧客を新しいハイパワーネットワークへと移行させることに重点を置いている」とを同社では述べており「一方、発展途上世界の通信業者は、初期LTEの展開を広範囲に完了させており、3Gの顧客を4Gへと移行させている」とも述べている。

可用性の増加これに関連して現在では、速度ではなく可用性に重点が置かれている。OpenSignalでは、「ほぼすべての国」で4G可用性が増加したことが判明したと報告している。

この調査によると、50か国において70パーセント以上の時間でLTE信号を送出できることがわかった。なお、2016年9月末では33か国に過ぎなかった。

「超先進国」における可用性も上昇している。4G信号が占める割合が80パーセントを超えている国の数は現在20か国であるが、これは、6か月前の調査結果であった16か国を上回っている。

なお、韓国とシンガポールの2か国では、その数字は90パーセントを上回っている。