全米民生技術協会(CTA)のガリー・シャピロCEOが、中国は優れた米国モデルを取り入れ、そこに改良を加えていると述べ、同国の科学技術投資への取り組みを賞賛した。

シャピロCEOは、「中国はとても理にかなった戦略を採用している。米国と似てはいるが、さらに優れた点もある」と述べた上で、中国は、「科学技術と技術革新に重点を置いてインフラストラクチャと教育に投資している」と説明。技術革新こそが、「政治的・技術的混乱の時代」における数々の主要グローバル課題に対する処方箋を提示できると述べ、中国の取り組みはまさに時機を得ているとコメントした。

その後は、「ドナルド・トランプやエマニュエル・マクロンなど、これまでとは異なるタイプのリーダーが選ばれたことは、世の中の政情が変化していることを物語っており、その傾向は英国のEU離脱にも現れている。トランプとマクロンはどちらも、大きな政治的リスクを引き受けた候補者であり、リスクテイクこそ、起業家精神と技術革新の本質である」と続けた。

さらにシャピロ氏(下の写真)は、社会は今、いくつかの課題に直面しているが、「科学技術は、世界で最も大きな問題の一部を解決できる立場にある」と述べ、「教育、医療、輸送、食品製造分野における技術不足の問題、そしてテロも含めた重要課題を解決するための方策は、技術革新、科学技術、センサー、自動運転車にある。したがって、技術革新を進むべき道と認識している国こそが、最も賢明な国である」と続けた。

加えて、新技術や自動化は、労働力に大きな影響を及ぼす可能性を秘めているという事実にも触れ、それらが「世の中を前に進める」とも述べた。

「車輪の発明以降、私たちは長い道のりを歩んできました。自動車、航空機、電信、電話、そしてインターネットの発明以降、数々の仕事が廃れていきました。

しかし、この会場にいるほぼ全員を含め、私たちの多くは、技術革新と科学技術によって新たな仕事を生み出してきたのです」