中国の大手スマートフォンメーカーであるファーウェイ、OPPO、Vivoの3社がいずれも、第2四半期に国内スマートフォン市場のシェアを拡大。市場全体の成長率4.6パーセントを大きく上回る成長を見せた。

 

調査会社IDCによると、同四半期における3社のシェアは計47パーセントで、昨年の43パーセント、さらには第1四半期の45パーセントからも拡大した。

 

最大手のファーウェイは、1年前の15.6パーセントから17.2パーセントへと伸長。出荷台数も15.2パーセント増の1910万台を記録した。

 

3社の中で最大の成長を見せた第2位のOPPOは、出荷台数124パーセント増という大幅増で1800万台に到達。シェアは1年前の2倍以上となる16.2パーセントに伸び、首位ファーウェイに1パーセント差まで迫った。

 

第3位のVivoも、この1年で7.9パーセントから13.2パーセントへと大きくシェアを拡大。出荷台数も75パーセント増の1470万台へと急増した。

 

その一方で、新興の小米はシェアを失っており、1年前の16.1パーセントから9.5パーセントに縮小。出荷台数も38パーセント減の1050万台にとどまった。

 

アップルも同じくシェアを減らしており、昨年度第2四半期の11.9パーセントから7.8パーセントへと低下。出荷台数も32パーセント減少した。中国市場では大画面が好まれる傾向にあり、当四半期においても画面サイズ5インチ以上の製品が全出荷製品の9割近くを占有。そのため、iPhone SEが人気を獲得できなかったとIDCは分析している。

 

また、アップルのファンが、第3四半期に発売予定の新型iPhoneを待っている可能性も高い。

 

IDCによると、第2四半期の総出荷台数は1億1120万台で、1年前の1億630万台から増加。1年ぶりに市場が成長に転じた。

 

大手3社の成長要因

「ファーウェイ、OPPO、Vivoがシェアを伸ばした要因としては、製品の差別化に注力したことに加え、ブランド力の向上に向けた各社の一体的な取り組みと積極的なマーケティング攻勢による消費者への訴求が挙げられるだろう」と、IDCアジア/太平洋の郑萧寒(Xiaohan Tay)シニアアナリストは言う。

 

同氏によると、OPPOとVivoの躍進が続いた主な要因はオフライン販売チャネルの強さで、両社の店舗と広告は、ティア3からティア5の都市の大半を網羅しているという。

 

市場は飽和しており、買い替えユーザーに大きく依存しているものの、各社とも積極的なマーケティング戦略を仕掛けており、新たな方法で顧客獲得を図っている。

 

「著名人を起用するやり方は、短期的には有効かもしれないが、長期的視野に立つと、それだけで十分とは言えそうにない。製品ごとの差異がほとんどなく、ユーザーがブランドへの愛着を維持することが難しくなってきていることから、各社は自社製品に対する高揚感を高める工夫を常に考えていく必要がある」と同氏は言う。