市場調査会社eMarketerによると、昨年、店頭での商品やサービスの決済に携帯電話を使った人の数が2倍以上に増え、今年は1億9500万人を超える見通しであることが判明した。この数字は、中国に8億500万人いるスマートフォンユーザの4分の1に相当する。

 

米国における非接触型モバイル決済ユーザが今年度で約3750万人と予想されていることから、中国のモバイル決済市場の規模と成長速度が抜きん出ているということになる。

 

eMarketerは、2020年までに、中国のスマートフォンユーザの半数近くが非接触型モバイル決済を行うようになると予想している(下表を参照。クリックで拡大)。

 

中国のモバイル決済状況の推移

 

中国では、米国よりも速いペースで非接触型モバイル決済が浸透しているものの、中国の非接触型モバイル決済市場は、利用が大都市に集中しており、大半が未開拓であると、eMarketerの予測アナリストであるシェリーン・シュム氏は言う。

 

同氏によると、課題は米国と同じで、店頭でのモバイル決済手段を受け入れるよう小売店にシステムアップグレードを促していくことだという。

 

同社の説明によると、中国のユーザが新しい形態のEコマース技術に寛容であることは、スマートフォンで買い物をする人が増えていることから明らかであり、このデジタル購買者の増加が、非接触型決済の成長を後押ししているという。

 

eMarketerは、2016年には、ウェブブラウザまたはアプリから年に1点でも買い物をする中国のスマートフォンユーザの割合が、スマートフォンユーザ全体の72パーセントを超えるだろうと予測している。