ファーウェイが基調講演の中で、主力製品であるMateBook Xを軸に、同社の最新コンピュータ製品を中国の家電市場に投入することに言及した。

とはいえ、中国重視の姿勢は既定路線である。中国の小売市場における同社のプレゼンスはすでに確立されており、スマートフォン市場でトップシェアを握るブランドとして認知されている。

この催しの中で引き合いに出された、全米民生技術協会(Consumer Technology Association)ならびに調査会社GfKデジタルワールドの統計によれば、消費者向けハイテク機器の小売市場では、アジアの新興勢力である中国とインドが売上高の29パーセントを占めている。

同社消費者業務集団の万颷(Wan Biao)COO(左の写真)は、高性能デバイスはデザインと携帯性に難があり、スタイルと軽量性を追求すれば性能が犠牲になると、これまでのノートパソコンが抱えていたトレードオフに言及した上で、「私たちが現在使っているノートパソコンはどうにも不格好で持ち運びにくい」と述べた。

プレゼンテーションの中では、アップルの13.3インチMacBook Proと比較しながら、ファーウェイの製品はベゼルが薄く(4.4mm)、ボディ全体に対して88パーセントという画面比率と、最厚部で12.5mmという薄さは、それぞれ76パーセント、14.9mmのMacBook Proを凌ぐと強調した。

同社はMateBook X以外の新製品として、MateBook  E 2-in-1とエントリーレベルのMateBook Dも併せて紹介した。

マイクロソフトとの提携

この日は、マイクロソフトの大中華圏部門を統括するアレイン・クローツァー氏も登壇。MateBook製品に関する提携に言及し、「それだけに留まらず、今後は新しいフォームファクタも提供していく」と述べた。

同社は先日、中国政府ならびに国営企業(SOE)を対象とするWindows 10が、一部の不要な機能(OneDriveの統合など)を排してテレメトリ・アップデート管理を組み込み、中国政府独自の暗号化アルゴリズムに対応したことを発表。クローツァー氏は主にこの点を強調した。

この新OSは、レノボがすでに採用しており、ファーウェイは、中国政府とSOEという巨大市場を対象としたプラットフォームをサポートする新たなハードウェアベンダーとなる可能性がある。

MateBook Xの価格は、マイクロソフト・オフィス・サブスクリプションとMateDockドングルが付属する基本構成で6,988元(913ユーロ)からとなっており、欧州市場の1,399ドルという価格設定とは大きく異なる。

ファーウェイは、先月下旬にベルリンで開催されたイベントで、この新MateBookシリーズを発表した。