LPWA 2016イベント(アムステルダム): インドのタタグループの通信サービスプロバイダであるタタコミュニケーションズが、国内初となる低消費電力広域(LPWA)ネットワークを3つの主要都市で開始した。2年以内に1900都市へとサービスを拡大し、国外でのサービス提供も開始するのが目標という。

 

同社は、LoRa技術を免許不要の周波数帯で展開しており、バンガロール、デリー、ムンバイで35種類のPoC(概念証明型)サービスを提供しているとされる。

 

タタコミュニケーションズ傘下、ニューベンチャーズ社のエリック・トーレス副社長は、「6月末までに4500万人をカバーする予定で、その規模なら、テストに十分な巨大人口群になる」という。

 

この35種類のユースケースは、(鉱山労働者が使用する)安全重視ウェアラブルスマートウォッチから、空調やセーフティボックスの遠隔監視に至る幅広いサービスを網羅する。

 

トーレス副社長によると、その内訳は、資産管理が10件、資産追跡が9件、人命救助/安全管理サービスが3件、エネルギー管理領域が5件、残りがスマートシティ関連で、その各々が「10万台から数百万台」の市場規模を持つ可能性があるとされる。トーレス氏は、この中の1つについて、最大2億台という潜在市場があると述べたが、詳細は明らかにしなかった。

 

NB-IoT

セルラー技術「NB-IoT」が6月中に標準規格として採択される予定で、イベント初日の話題にもなっているが、トーレス氏はNB-IoTについて、先述のPoCサービスのうち21種類は、SIMカード技術がベースでは成り立たないと批判。「NB-IoTを正当化することについて、今日はまだ何も聞いていないが、LoRaならすべてのサービスが可能だ」と述べた。

 

 

近い将来全国をカバー

 

同氏はまた、LoRaネットワークに関するタタコミュニケーションズ社の野心的な成長目標にも言及し、今後2年以内に1,900都市で計4億人をカバーするとコメント。そして国外進出計画については、同社が地域の通信事業者に対し、オペレータではなくサービスプロバイダとして、「スマートで手軽なパッケージを提供していく」意向であることを明らかにした。