中国の消費者の半数以上は、スマートフォンを使ったオンラインショッピングが好きで、全米民生技術協会(CTA)の調査によると、月平均119ドルを費やしている。この数字は、米国の水準をわずかに下回るにすぎない。

調査を受けた人の10人中9人が、スマートフォンを使ってオンラインショッピングをしている。ウェブサイトではなくアプリを使う人の割合も高まっており、回答者の65パーセントは、速く、特別割引サービスが受けられ、モバイル決済プラットフォームが使用できるという理由でアプリが好きだと答えている。

ウェブサイトからの買い物が好きだと答えた人は少数(15パーセント)で、どちらのチャネルも好んで使う人の割合は約2割だった。

中国の消費者の大半(61パーセント)はオンラインショッピングが好きで、実店舗での買い物を好む人は11パーセントだった。そしてほぼ全員(90パーセント)が、中国一の小売オンラインショッピングモールであるTmallで過去12か月以内に買い物をしたと回答した。

CTAの市場調査担当シニアディレクターであるスティーブ・ケーニッヒ氏は、「中国はわずか10年で世界水準のオンラインサービスを開発・展開し、中国の消費者はこれらのサービスを完全に受け入れた」と述べている。

社会的生物

CTAの調査からは、回答者の86パーセントが自身のWeChatアカウントを1日に複数回チェックしており、ソーシャルメディアが中国の消費者の生活の一部になっていることも明らかになったとケーニッヒ氏は言う。WeChatは中国最大のソーシャルネットワーキングサイトで、全人口の95パーセントがWeChatにアカウントを持っているという。

分析サービスを提供しているアップアニー社によると、2016年における決済アプリのダウンロード数は昨年比で230パーセント増加しており、WeChat のモバイル決済プラットフォームであるWeChat Payが、アントフィナンシャルのAlipayサービスと並んで急伸の大きな要因だと指摘した。

今回の調査から、中国のユーザーが、仕事と私生活とでソーシャルメディアを明確に使い分けていることが明らかになった。回答者の4分の1が、仕事と私生活の両方でソーシャルメディアを利用しており、私生活でのみ利用している人が72パーセント。仕事でのみ利用している人は2パーセントで、この数字は欧米諸国に比べて極めて低いと同氏は言う。

回答者の66パーセントは、大方の予想どおり、ソーシャルメディアにアクセスするときにスマートフォンを使っており、タブレット、ノートパソコン、デスクトップの割合はいずれも約10パーセントである。

中国の消費者がクリエイティブなマーケティング手法を積極的に受け入れるため、企業は自社のオンラインビジネスの実験や創意工夫がしやすいとケーニッヒ氏は言う。

消費者の高いモバイル嗜好性は動画の閲覧に当てはまり、67パーセントがスマートフォンを使用してニュース映像を視聴。モバイル機器を用いてニュースを見る人も52パーセントに上る。

ただし、スマートフォンで映画を観る人は19パーセント、同じくスマートフォンでテレビ番組を見る人は16パーセントで、これらのコンテンツをタブレットやテレビで観る人の割合よりは高いものの、ノートパソコンやデスクトップパソコンを選ぶ人の割合を下回っている。

CTAは、中国のティア1からティア5の都市で、ハイテク機器を新たに購入し、スマートフォンを所有していると回答した3,000人以上を対象に調査を実施した。