昨年度の決算で過去最高益を記録した台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)が、競争力維持のために今年度の設備投資を23パーセント増の100億ドルへと引き上げることを計画している。

台北タイムズの報道によると、アップルのiPhone 6など数々の製品にチップを供給しているTSMCは、昨年81億ドルの設備投資を実施し、16パーセント増となる3065億7000万台湾ドル(92億ドル)の純利益を計上した。

TSMCによると、この設備投資の70パーセントは、10ナノメートル線幅という次世代チップの製造ライン増強に費やされ、5パーセントが、中国における16ナノメートルチップ製造ラインの新設に充てられるという。

10ナノメートル線幅の競争は激しさを増しているが、台北タイムズによると、TSMCのモリス・チャン会長は高シェアの獲得に意欲的で、「シェアを失うつもりはない」との意向であるという。

16ナノメートルチップ市場でライバルのサムスンの後塵を拝したTSMCだが、今年度は需要増により、昨年50パーセントだった16ナノメートルチップのシェアを70パーセントに拡大できると予想している。